ダメ出しするダメなオタク

ソルシエ再々演とDVD待ってる

推しの養分になりたい

明日今の仕事を退職するんだけど、職に就くきっかけが推しだったことを数年ぶりに思い出した。

前の仕事辞めてだらだらニートしてた時に推しに出会って「やべえ貢がなきゃ!!!仕事しよ!!!!!」と強く思って再就職できた。マジで働く気失せてたし出会わなかったらどうなっていたことか。

そんな私がちゃんと働いて月に何度か舞台に行くようになりなった。初めて自分で舞台のチケット取ったときは期待と不安が混ざり合って死にそうだった。テニミュから入ったのでキャラが好きなのか彼が好きなのか悩んでたけどいざ新しい役で小さな劇場のステージに立つ彼を見てチケットを買い足す事にした。同じストーリーなのにアドリブや細かい演技が違って楽しい!舞台沼へようこそ!

それまで2次元オタクだった私は2.5次元と3次元の間を行き来する彼を追いかけはじめる。ネットで友達が出来て同じ舞台を見てるのに感想が違うのが面白かった。上手センター下手で見え方が違うなんて知らなかった。最前列も最後列も、見づらいフラットな床も、パイプ椅子のホールも、聞いたことのない駅名にどこに劇場があるのかわからない住宅街、そしてたくさんの世界でいつも新しい人生を生きる彼。無気力で無感情な私の人生に鮮やかな色を与えてくれた。見てるだけで幸せだった。近づきたいとは思わなかったけどずっとこの距離感を保っていたかった。1メートルも離れていない場所に月に何度いても交わらない人生だったけどとても満たされた。

昔は誰かを信用するのが怖かった。壁を作って自分から離れた。適当に働いて休日は家で2次元に没頭する大人になりたかった。人を好きになる事はないだろうと思ってた。

自分の感情は押し殺して周りに合わせればいいんだと思っていたらすごく腹が立つことを言われたのに怒れなくなっていた。私の感情はどこへ行ったんだろう。

劇場では笑って良かったし泣いてもおかしくなかった。許された気がした。過去のしがらみに囚われる必要はなかった。彼が新しい人生を生きる度に私も生まれ変わった。もう好きなものを好きと言っていい人生だった。

しばらく舞台から離れたけど数年後戻ってきて更なる深みにはまった。友達がいなくても一人でも楽しかった。ファンサをした彼を見て嫉妬した。こんな感情が私にあったのか。また世界が広がった。どうせ私なんてと卑屈にならずにこっちを見てと思えた。どうせどうせで逃してきたチャンスがあったはずだ。今はそれが欲しい、掴みに行きたい。

この人がいるから頑張れるという相手は恋人や家族でなければならないのか。手を取り合い支え合える距離感は必要なのか。私は彼を見ていれば幸せだけどそれではいけないのか。近くて遠いけれどいつも美しい世界を与えてくれるそれだけで十分。お金を出さないと会いに行けないなら払うだけだ。

喜んで養分になろう。